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下剤ってくせになるの?

よく、「下剤ってくせになる。」と思っている方がいます。下剤の中にはくせになる下剤もありますが、すべての下剤がくせになるわけではありません。

くせになる下剤は、センナやアロエ、大黄などの大腸を刺激して出す下剤がくせになります。

どうしても大腸を刺激して出すので、内服し続けているうちに、刺激に慣れてきて、1錠が2錠。2錠が3錠へと、段々内服する量が増えていってしまいます。このことは、1錠で出ていた便秘が、2錠へ。2錠で出ていたのが3錠へと、便秘が段々頑固な便秘になってしまうことになります。

こういった、大腸を刺激する下剤は、便秘を治すというよりは、便を出すことが目的の下剤です。ですから、お腹が痛くなったり、下痢をしたりします。

では、どんな下剤をまずは内服したらいいのでしょうか。

渡邉医院では、まずは酸化マグネシウムという下剤を内服してもらっています。この酸化マグネシウムは、便の中に水分を残すことしかしません。大腸を刺激する下剤ではないので、お腹が痛くなったり、くせになったりしません。

具合よく便が出るには何が必要かといいますと、1)便の中に程よく水分があること。2)便のもとになる繊維をとって量のある便にする。3)大腸が具合よく動く。この3点が大切です。その中で酸化マグネシウムは1)の便の中に水分を残すことをします。便の硬さは、便の中の水分の量できまります。便の中の水分が70%になると、70%の水分が含まれていても、コロコロの硬い便になってしまいます。反対に便の中の水分が90%になると水様の下痢になってしまいます。たかが20%ですが、コロコロカチカチの便から下痢となります。

酸化マグネシウムは、便の中に水分を残すことしかしませんので、酸化マグネシウムで具合よくスムーズに便が出るのであれば、便のもとになる繊維は十分摂っていて、大腸も具合よく動いているということです。酸化マグネシウムを内服しながら、十分に水分をとることで便秘は治っていきます。ただ、便秘の程度はその人その人によって違います。便秘の程度で酸化マグネシウムの量は決まります。まずは、柔らかくスムーズに出る酸化マグネシウムの量をみつけ、それを続け水分をとっていくうちに、段々便秘は治っていきます。

でも、酸化マグネシウムだけでは具合よく出ないという方もいます。便の量が少なかったり、また大腸の動きが悪かったりする場合です。でもそれぞれに対応する下剤があります。自分の便秘の状態にあわせて、自分にあった下剤を正しく内服することで、便秘は治っていきます。

最後になりますが、便秘はあせって治そうとうるとよくなりません。極端な話になりますが、1年便秘だったら1年かけて治すといったように、焦らず治すことで反対に早くよくなっていきます。

毎日気持ちよくすっきり便が出ること。このことはとっても大切ですし、スッキリ出ることで気分も違います。

便秘は焦らずじっくり治していきましょう。