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皮垂、スキンタグって病気?

皮垂、スキンタグともいいますが、肛門にできた皮膚のシワのことをいいます。この皮垂が気になってこられる患者さんは多いです。

皮垂を「いぼ痔」だと思われてくる患者さんもいらっしゃいます。

では、「皮垂は病気か?」ですが、皮垂は皮膚のシワで、皮垂そのものが痛くなったり出血することはありまあせん。ですから、基本的には、手術をして切除しなければならないということはありません。

ただ、「皮垂があって、拭きにくい。」とか、「皮垂そのものが気になって嫌だ。」とおっしゃる患者さんもいます。皮垂が気になって、必要以上に洗ったり、必要以上に擦ることで皮膚炎になったりすることもあります。

「気になる。」、「嫌だな~。」と思っているのもあまりいいことはないと、私は思います。気になったり、嫌だな~というときは、切除したほうがいいと思っています。

皮垂ができる原因には色々あります。例えば、内痔核(いぼ痔)が腫れたりおさまったりを繰り返すことで、内痔核ができやすい部分の肛門の外側に皮垂ができたり、また、裂肛(切れ痔)で肛門に傷がついたり治ったりすることを繰り返しているうちに、裂肛ができる外側に皮垂ができることもあります。また、血栓性外痔核といって、肛門の外側に血栓(血豆)が詰まって腫れて痛くなる病気があります。腫れはだんだん治まり、血栓は次第に溶けて、吸収され治っていきます。ただ、血栓が吸収した後、皮垂として皮膚のシワができてしまうこともあります。

このように皮垂の原因にはいろいろあって、皮垂の原因によって、皮垂の切除の仕方が多少違ってきます。

裂肛や血栓性外痔核でできた場合は、皮垂だけを形よく切除しますし、内痔核が原因の場合は、少し肛門の中まで、皮垂を剥離して切除して、一部糸で縫合すると形よく切除することができます。でも、いずれの場合も、便が出るところにできる傷ですので、排便があっても具合よく治るように皮垂をとる必要があります。

皮垂を切除する場合は、入院にはなりません。手術は局所麻酔で行いますが、麻酔をして皮垂をとって、大体5分程度で終わります。でも手術が終わってすぐに帰宅して、帰宅後傷口からの出血があると困りますので、手術後は1時間程度、病室で休んでもらって、出血がないことを確認して、局所麻酔が完全にきれてから帰宅してもらっています。手術後の通院は、手術をした翌日、約1週間後、さらにそこから2週間後と3回通院して傷の治りをみせてもらっています。入浴は手術した次の日から普通に入ってもらっています。

こんな感じで手術をしています。

皮垂は悪いものではありません。手術して切除しなければならないものではありません。でもいつも気になって、嫌だな~と思っているのもいいことはないと思います。皮垂で悩んでいる方がいらっしゃれば、一度相談してみて下さい。