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私の悪性リンパ腫に対しての地固療法と自家血幹移植

昨日は雨でしたが、今日は一転晴れ。私は今、入院しているので、外の気温はわかりませんが、きっと今日は蒸し暑かったに違いありません。入院当日は雨でした、でも「雨降って、地固まる。」と言うように今回の入院、しっかり治療していきたいと思います。

私の抗がん剤による化学療法、予定の5クールが終わりました。今週の月曜日、620日に撮影した造影でのMRIの結果、悪性リンパ腫による下垂体近傍の腫瘍は消失し、完全寛解しました。329日に入院して、確定診断がついて治療を始めたのが48日。約2か月半。私としてはあっという間の時間だったように感じます。
これまでは「寛解」を目指す治療をしてきました。その結果「完全寛解」となりました。これからは「治癒」を目指す治療に入ります。

さて、「治癒」を目指すまず最初は、「地固療法」です。

「地固療法」は、寛解後にも残っているがん細胞を叩くための治療です。言ってみれば「とどめを刺す」治療です。それを今回2クール行います。そしてその後に最終的には自家血幹移植を行います。そして、この2クールの間に自分の造血幹細胞を採取してー80℃で離党保存しておきます。
 血液のがんは一般的に抗がん剤の投与量が増えれば増えるほど腫瘍を減らすことができます。ただ、反対に増やせば増やすほど副作用が出ます。それが骨髄抑制です。ことづ意欲性が来ても、言ってみれば一旦骨髄が死んでもあらかじめ採取し、凍結保存していた自分の造血幹細胞を戻し移植することで骨髄が回復します。
ですから、今回の治療は、「地固療法」を行うと同時に最後の自家血幹移植に向けての造血幹細胞を採取する。この二つが目的です。

さて、今回使う抗がん剤は、キロサイド(シタラビン)です。
代謝拮抗薬(ピリミジン拮抗薬)で、細胞増殖に必要なDNA合成を阻害する抗がん剤です。これを大量投与します。大量とは、抗がん剤が中枢に移行する量のことです。どのくらい使うかは主治医の先生が私の対表面積や年齢などを考慮しながら決めて下さると思います。調べてみると、23g/㎡と対表面積で決まるようです。170㎝、74㎏だと対表面積は約1.8。そうすると3.6gに計算ではなります。

さて、キロサイドを投与後(おそらく1212時間ごとの12日間になると思います)残存しているがん細胞は減少していきますが、それとともに骨髄抑制が来ます。骨髄抑制がピークに至るのが、投与後約14日目頃になります。それ以降、骨髄は回復して血球も回復していきます。この血球が回復してくる時期に造血幹細胞は骨髄から末梢血中に漏れ出てきます。この漏れ出てくる造血幹細胞を採取することになります。通常は末梢血中には造血幹細胞は0.002%以下だそうです。そして、調べてみると1回の移植に必要な造血幹細胞は2.0×10の6乗個/㎏、74㎏の場合、14800000014800万個)が必用になります。採取した造血幹細胞は、凍害保存液と一緒にー80℃に凍結保存し細胞は休眠状態へ。この状態で5年間保存できるそうです。

おそらく1回のクールで十分な量が取れるとのこと。1回目の採取で十分に良が取れているか同課が解るのが次の日。ですから最低連日2回の採取を行います。場合によっては3回のこともあるようです。この1クール目の地固療法で十分な造血幹細胞が採取できなかった場合は、2クール目でもう一度採取します。そのため、この採取する日にちが同曜日、日曜日にかからないようにするのが難しい点です。ここはもう主治医の先生の経験がものをいうところです。

さて、副作用に関しては、多いのが悪心、嘔吐、食欲不振などの消化器症状です。
また、結膜炎があり、ステロイドの点眼を予防的にするようです。この結膜炎、発熱、結膜炎、筋肉痛、骨痛などが起きることがあり、これらを「シタラビン症候群」と言うそうです。薬剤投与後612時間後に症状が出てくるとのことです。
また、骨髄抑制を起こさせるため、感染症に注意が必要で、場合によってはクリーンルームに入ることもあるそうです。また、赤血球や血小板の減少が強い場合は四血の必要なこともあるようです。

こんな感じで、今回は前回の5クールとは違って、少し長め、約3週間の入院治療になります。1クール終わって一旦退院。再度入院して2クール目。そして最後の自己血幹移植は、2クール目が終わって2週間程度休んであわてることなく行う。
こんな予定で今後は治療が進んでいきます。

そうすると、治療当初予定していた91日、完治して復帰して渡邉医院再開の予定が少し遅れると思います。
皆さんには、とてもご迷惑をおかけしていますが。しっかり治して完治して復帰。そして渡邉医院の再開をしたいと思っています。
よろしくお願いいたします。

R4年6月23日  渡邉医院

渡邉 賢治